2016年06月29日

伊藤祐靖著『国のために死ねるか』発売!!

伊藤祐靖著『国のために死ねるか』(文春新書)の発売まで、あと3週間となりました。さまざまな考えや感性をお持ちのたくさんの読者に恵まれる本となるべく、告知の策を練っております。

ここではすでにご関心を寄せて下さっている皆様に、本の「はじめに」を全公開します。

静かな書き出しです。最新の大脳生理学によると、何もしないで安静にしているときに活性化する脳の領域をデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)と呼び、それはちょうど自動車のアイドリングのような状態だそうです。
「はじめに」では、伊藤祐靖がDMN状態で、その時を、待っています。そして、本編に入ると、1ページ目の1行目から、フルスロットルで文章が疾走します。まるで映画のクライマックスシーンがいきなり始まったかのように。

発売は7.20。ご期待ください! (編集担当:オバタ)

※主なオンライン書店のリンクはココにあります↓
文春新書『国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動』伊藤祐靖 | 新書 - 文藝春秋BOOKS http://books.bunshun.jp/ud/book/num/978416661069313516202_1750323251851976_5601672284898379115_n.png13517378_1750323268518641_5274461292472731138_o.png13502945_1750323288518639_3230793344201035079_o.png




posted by RBRA at 21:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 幹事長 伊藤祐靖

2016年06月02日

陸上自衛官の武器科職種OB会講演D

【日本建国の理念と自衛隊の活動】

そもそも、日本建国の思想は、神武建国の詔に記されております。
「夫(それ)大人(ひじり)の制(のり)を立て、義(ことわり)必ず時に随う。苟(いやしく)も民(おおみたから)に利(くぼさ)有らば、何(いか)にぞ聖造(ひじりのわざ)に妨(たが)わん。且(ま)た当(まさ)に山林(やまばやし)を披(ひら)き払い宮室(おおみや)を経営(おさめつく)りて、恭(つつし)みて宝位(たかみくら)に臨み、以て元元(おおみたから)を鎮むべし。上(かみ)は即(すなわ)ち乾霊(あまつかみ)の国を授けたまう徳(うつくしび)に答え、下は皇孫(すめみま)、正しきを養いたまう心(みこころ)を弘めん。然(しか)して後に六合(りくごう)を兼ねて以て都を開き、八紘(あめのした)を掩(おお)いて宇(いえ)と為(せ)んこと、亦可(またよ)からずや。」 
国の制度は、国民(おおみたから)が幸福になることを第一に考えなくてはいけない。天津神の御期待にこたえ国民が幸福になるために天皇は御位に臨む。国民は天皇と心を一つにして、天下に一つの家のような国(国家)を作り為すよう天皇と国民が共に努力しようではないか。「八紘為宇」という国民への呼びかけです。
聖徳太子が17条の憲法でいう『和をもって貴しとなす』も、明治天皇が5箇条の御誓文に記した『万機公論に決すべし』も、そして現在、『思いやり』『絆』等といっているのも全て八紘為宇の『和』の精神です。だから国の名も『大和』と定めたのです。

この話を、ISBAやCSBDのメンバーが英語、ドイツ語、ロシア語、フランス語に翻訳してネット上で拡散してくれています。
実は、ゴルバチョフ大統領が冷戦終結の時に言った言葉の中で、最も重要だと言われているのが「ヨーロッパを一つの家に」というスピーチでした。
彼らは、神武天皇の詔勅、「世界をひとつの家に」と言う意味の八紘為宇には非常に賛同を示しているのです。

こう考えていきますと、これからのグローバリゼーションの方向性をどうするのかという大きな課題の中で、世界の人々が、ポスト・グローバル資本主義を模索している段階と思いますが、実は、日本人は答えを持っているのではないかという気がしているのです。
実際、日本の自衛隊が国際貢献活動を始めて以来、殆どのケースで現地の人々からポジティブな評価を受けてきました。参加した自衛官は、皮膚感覚でそれを感じてきたと思います。少なくとも欧米の部隊がやってきた活動と日本の自衛隊がやってきた活動とは性格が本質的に違うと、世界中の人々が認識していると思います。
それは政府が戦略を練ってやった訳ではなく、日本人がそもそも持っている文化的性質、日本人の利他の精神、和を尊ぶ性質が現地の人々の為に出来ることを一生懸命に頑張ろうとする形で現れたからだと思います。
せっかく日本人はこうした文化を持って、実際に素晴らしい活動をしているのですから、自分たちの中にある優れた文化価値を自覚して、それを戦略化して、国の活動の方向として示したら良いのではと考える訳です。

私も、サマワでの経験などから、自衛隊は、他の国の部隊と違って、現地の人々のために真に貢献できる貢献活動をしてきたと感じました。
しかし、そうした自衛隊の活動が、日本の政治的成果として生かされていないことが、非常に残念でなりません。
自衛官が世界で実践していることを、日本人が持っている文化的ポテンシャルを、日本人のわれわれが自覚化する。そしてそれを理論化し、世界の人々に発信する。そういうことが本当の意味で、日本の安全保障にとって重用なのだろうと思います。

これから、自衛隊の海外での活動がより一層増えてくるわけですが、ただ単に日米関係を維持することだけが目的化しているのが現状ではないでしょうか。
活動の目的とそれによってもたらされる結果を深く考えずに、アメリカの要請であるから・・・、これでは本当に日本にとってプラスであるのかが不明瞭です。少なくとも、現在の米国のやり方は世界的に批判されることが多く、賛同されることは少ないようです。そのような活動に何も考えずに追随していくことは、長い目で見たとき、決して日本のためになることはないでしょう。

神武建国以来、「一つの家のような国家の創造」、という考えで国を運営してきたことが、『世のため人のため』という社会倫理に昇華し、無自覚で利他の精神を発揮できるまでに進化したのが日本文化です。
武士道精神とは、さらに自己犠牲もいとわず社会に貢献する崇高な精神です。
そして、それは、まさに現代のグローバル化した世界が必要としているものだと思います。
だからといって、これを厭らしい形で日本人は優秀で日本人にしかできない等と言う必要はありません。むしろ、謙虚な形で世界の人々の賛同を得ていくやり方がいいと思います。余り出しゃばるとアメリカが傍観しないでしょうから目立たないやり方が良いでしょう。
ただ、日本の伝統文化が、よりよい世界を作るために、日本の国際活動に活用され、自衛隊の活動が、日本と世界の将来をよい方向に導いていく成果となって積み上げられる。そういうことが出来たら素晴らしいのではないかと考えています。

私はもうOBなので、直接には自衛隊の活動には関与できませんが、少なくともこういう価値観を、武道を通じて世界中の人々に一生懸命発信して、日本文化には、今世界にとって必要な崇高な価値観があるのだ、ということだけは、しっかり伝えていこうと考えています。(おわり)
posted by RBRA at 01:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 幹事 荒谷卓